厚労省のデータによると、日本の薬剤費比率(医療費に占める薬剤費の割合)は、2014年には約22%となっており、30%台に差し掛かっていた20年前に比べれば随分と下がりました。日本では、公定価格である基準薬価と実際に病院などが購入する価格に差があり、そのため薬の使いすぎや高いクスリへのシフトが起きやすいといわれています。

低成長経済のもと、医療費の伸びを抑えるためにも無駄な薬の使用を排除しなければならないのは当然のことです。しかし、欧米と日本では薬剤費比率のデータの取得方法が異なります。例えば、分母となる医療費について、日本のデータでは予防的医療や歯科診療、薬局調剤などは除外されています。

分子の薬剤費についても、日本のデータは高齢者が比較的多い母集団を選択しています。また、医療費全体が右肩上がりで増加しているなかにあって、日本の薬剤費比率は下がってきており、国際的に見ても決して高いとはいえない水準になってきました。

現代の医療は薬物治療が主流であり、既存薬よりも効果が高いが薬が開発されれば、入院せずに治ったり再発する割合が低くなることで、患者や保険組合などに大きなメリットがもたらされます。薬の使いすぎで医療費が高騰している、との批判は必ずしもあたらないという意見も多く聞かれます。