日本人は他の国に比べて、ちょっとした症状にも薬を使うことが好きな国民とされていますが、その一方で副作用と聞くと拒否反応を示す傾向にあります。

しかし、天然由来のもであれ人工的に合成されたものであれ、薬は化学物質です。それを人体に投与すれば、いろいろな作用が現れます。治療に利用できる作用が「主作用」、それ以外の作用を「副作用」といい、両者は表裏一体の関係にあります。同じ薬でも、治療目的によって主作用と副作用が違うこともあります。

一般に、薬は使用する量に比例して人体への作用も強くな ります。期待される作用が現れる最少の量を「最少有効量」、最大の作用が現れる量を「最大有効量」といいます。製薬企業では開発段階でこれらを慎重に調べており、市販後は詳しく医師に伝達される。医師はそうした情報をもとに、それぞれの患者の年齢、体重、性別、症状などと 照らし合わせて処方します。

薬は少ないほうがいいというわけではないし、多く飲めば早く効くわけでもありません。薬物治療では、医師の的確な診断・投薬と、患者の服薬遵守がかみ合ってはじめて、効果が発揮されるのです。

薬とは、どのような病気・病状に、どのような用法・用量で、どのような注意をして使えばいいかという情報があってはじめて、価値を持ちます。そのため、製品に添付文書をつけることが義務づけられており、「医療用医薬品」は特に、細かな記載項目や記載順序まで決められています。

また、そうした情報をもとに医師が患者を診断し、治療経過を観察しながら適正に薬を処方することによって、副作用を避けながら最大限の主作用が発揮されるのです。

副作用をむやみに恐れるのではなく、薬を正しく使うためには有効性や安全性に関する情報がいかに重要であるかとういことをよく理解しておく必要があります。